国際結婚、国際離婚 日本に帰国したら子供連れ去り!?

国際結婚をして国際離婚したら、子供と日本に帰れない!?子供連れ去り!?国際結婚の増加により増えてきている、国際離婚。オランダで外国人と結婚する際には必ず知っておきたい「ハーグ条約」「共同親権」についてまとめて掲載しています。

国際結婚して国際離婚

国際結婚、増えていますね。片親が日本人、片親外国人というカップルを見かけることも多くなりました。国際結婚で子供を持つ方も増えています。子供がいる場合に離婚となると、日本の感覚とは全く異なります。海外と言っても国の法律によりますが、オランダで外国人のパートナーと子供を作る際には、必ず知っておきたいのが「共同親権」と「ハーグ条約」です。

オランダは共同親権 日本は単独親権

共同親権とは子供に対する親権を父母の双方が持つ状態です。日本では婚姻中は「共同親権」ですが、離婚後の親権は原則として「単独親権」とされています。単独親権では、どちらかの親が親権者となります。そのため 離婚後はちゃんと父親に会わせるよう約束しても、約束が遂行されていない、日本ではそんな話を耳にする事もあります。

ドイツのように欧米でも単独親権が採用されている国もある様ですが、オランダの場合は「共同親権」です。共同親権制度のもとでは、子どもを同居していない親とも積極的に会わせる必要が出てくるため、遠くに引っ越すことが難しくなる可能性もあります。遠くに引っ越すことが難しい、つまり離婚後に日本で1人で子育てしようと考えていても、その希望が叶わず日本に帰ることができずオランダで子育てをしていくことになるという事です。外国人子供を持つ場合は必ずその国の法律を確認しておいた方が良いでしょう。軽い気持ちでデキ婚をする場合にも大変なことになってしまいます。

え?離婚したのに子供と日本に帰れないの?と驚いた人は、「共同親権」に加えて、知っておきたいのが「ハーグ条約」です。

日本へ里帰りのつもりが連れ去り!?ハーグ条約

ハーグ条約は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約です。

一方の親の同意なく、お子さんを国境を越えて居住国外に連れ出した場合、一定の要件を満たせばハーグ条約が適用されることになります。その場合、お子さんは、原則、元の居住国に戻されることになります。

在オランダ日本大使館 子の親権問題:ハーグ条約

つまり相手の許可なく子供とオランダを出国することが出来ません。パートナーとの関係が良好なうちは許可が貰いやすいかもしれませんが、 離婚すると手のひらを返したように同意しないパートナーも居るかもしれません。国際結婚しても離婚後は日本で子育てしたい、そんな風に考えていた人は寝耳に水かと思います。ハーグ条約を知っていたら子供を作っていなかった、そんな風に後悔しても時すでに遅し。相手の許可なく子供と日本に帰れなくなってしまい、子供の近くに居ないといけないため自分自身も日本に帰れなくなってしまうこともあるのです。

それは一時的な休暇でも同じです。片方のパートナーが出国に同意しているという書類を準備する必要があります。ということは、パートナーが同意してくれない場合、一時帰国ですら子供と一緒に出来ないということになってしまう場合もあります。

ちなみに、日本人同士であっても、オランダ出国の際確認されたことがあり、書類がなく別室へ……という事もありました。詳しくはこちらにまとめて掲載しています。

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結婚する前は、離婚後の事まで考えないかと思いますが、外国人パートナーとの子供を育てることで、後から取り返しのつかない事になるかもしれません。

え?嘘でしょ?信じられない!と思う方は、実際の状況を見ると考え方が変わるかもしれません。

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国際結婚で子供がいる場合の国際離婚は特に大変!

というわけで、国際結婚で子供がいる場合の国際離婚は特に大変です。離婚して子供と日本に帰りたいと考えているのが叶わないどころか、一時帰国ですらか出来なくなることがあります。日本に帰れずオランダで暮していくことになる場合に、もしオランダで自活する手段がない場合はどうしたらよいのかと考えるとゾッとしますね。自活できない人は親権も取れない事にもなるかもしれません。仕事、ビザ、弁護士、手続き、国際離婚の際には日本とは異なる「常識」の下で進めなければならない事が沢山あります。

日本人同士の結婚でも離婚は大変なことが多いですが、外国人との離婚、ましてや子供がいる場合の離婚というのはしつこいですが、日本の感覚とは全く異なります。 オランダでも増えてきている国際結婚ですが、外国人パートナーが出来た際には、知識がなくデキ婚などもってのほか、必ず「共同親権」のことを知って子供を持つこと、日本に帰れなくリスクがある上で子供を持つこと、子育てをしていく覚悟を持つことをお勧めします。 脅かすようなこと書きましたが、実際に帰国できず苦しんでいる日本人の方も居ます。この内容が役に立つ方が居れば幸いです。



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