オランダ国内で移動に便利な、オランダの交通系ICカードシステム、OV-chipkaart(OVチップカールト・OVチップカード)があります。日本の 交通系ICカード 、Suicaのようなもので、電車に乗る都度都度切符を買わずに電車、バス、トラムに乗れる便利なカードです。OVチップカードの買い方、返金、残金確認などについて掲載しています。
OVチップカードって何?
オランダ版の交通系ICカードです。日本でいうSuica、ICOCA、PASUMOなどに当たるカードです。事前にいくらか金額をカードにチャージしておいて、その金額だけ乗車が出来るというカードになります。
OVチップカードの種類
OVチップカードには様々な種類がありますが、黄色のカードは住所登録が必要なオランダ在住者用のカードになります。40%割引になったり、子供が無料になるというのは在住者用のOVチップカードのみです。日本人が旅行で利用できるは青色の無記名タイプカード「Anonieme OV-chipkaart」になります。
購入の仕方
OVチップカードは、公式サイトによると駅、運送業者のカウンター、スーパーマーケットやオンラインでも買えるという事です。旅行の際使う大きなターミナル駅での購入が可能です。駅にあるオランダ鉄道(NS)の窓口で入手することが可能です。
例)スキポール空港でのOVチップカードが買える場所
カードの価格
カードは、一枚7.5ユーロです。
有効期限は発行日5年間有効です。裏面に印刷されています。
初回のチャージ
購入価格の7.5ユーロは、カード本体の価格のため、カードの発行時点では残額は0ユーロの状態です。そのため、金額のチャージが必要になります。
チャージできる上限額は150ユーロとなり、支払いは現金かクレジットカードで可能です。
※クレジットカード使用でチャージする場合は手数料が上乗せされます。
チャージ時の注意点
オランダ国鉄(NS)を利用する際に最低20ユーロチャージされていないと、乗ることが出来ません。ただし、この無記名式OVチップカードはカードを紛失しても返金はありませんので、チャージのし過ぎにも要注意です。とはいえ、いちいちチャージも面倒臭い……という、ジレンマもあります。
カードの有効化(アクティベート)
電車(NS)を利用したい場合面倒なのが、購入した後カードの有効化 (Activation) が必要な点です。可能なら、購入時に有効化を依頼したほうがスムーズです。
1等席と2等席
オランダの列車は1等席、2等席に分かれていて同じ列車でも料金が変わります。 購入するときにどちらかを選ぶかと思うのですが、 2等席のOVチップカードで1等席には座れません。電車に1、2などの数字が書いてあり席が少し異なります。 オランダの鉄道にある1等、2等の違いについてはこちら。
オランダの鉄道には、1等(1st class)と2等(2nd class)と席が分かれています。違いについて掲載しています。 1等 日本でいうグリーン車のようなものですが、座席指定はありません。1等席に座るには、1等席[…]
OVチップカードの利用方法
OVチップカードの使い方はSuicaと似ているので、日本人としては慣れた方法になります。このようなカードリーダーにカードをかざすと「ピピッ」と音が鳴りますのでこれでチェックイン完了です。降車時にもタッチを忘れずにしてください。改札でカードリーダーにOVチップカードをかざすとゲートが開きます。
駅によっては改札がなくこのようにカードリーダーだけある駅もあります。旅行でよく利用する駅だと、スキポール空港駅は改札がなくカードリーダーだけしかありません。
一部の駅には改札が無くカードリーダーだけなので、チェックインしなくても乗れてしまう場合もあります。代わりに列車内で検札があることがあります。検札で有効な乗車券を持っていないと罰金が請求されるので、乗車時のチェックインを忘れずにしてください。
メトロ
メトロ(地下鉄)もNSと同様にOVチップカードで乗車が可能です。
トラム
トラムでは駅にカードリーダーがなく、車両の出入口にカードリーダーが設置されています。乗車時と下車時にタッチしてください。
バス
バス乗車時、降車時に車内にカードリーダーがありますので、タッチを忘れずに。日本と同じ要領です。オランダのバスは乗車は前から、降車はどのドアでも大丈夫といったルールのバスが多いです。
【注意】デポジット金額がないと電車に乗れない!
日本のICカードでは、乗車区間の料金がデポジットされていれば乗車が可能になりますが、オランダでは、乗車区間の運賃に関係なく一定の残額が必要となりますので注意が必要です。
NSの場合は20ユーロ、メトロ・トラム・バス場合は4ユーロです。乗車時に残額が足りない場合はエラーとなり乗車できません。追加のチャージが必要となります。電車ですと切符の販売機でチャージが出来るのですが、バス乗り場などチャージが出来ないバス停もありますので、デポジット金額は多めに、の方がよいかもしれません。(ですが無記名式ですので 、先に書いたように紛失しても返金がないという点はありますので自己責任で。)
追加チャージ
残額はチェックアウト時に表示されるほか、NSなどの券売機で確認が可能です。また、 公式サイトで残額の確認が出来ます 。
英語に切り替えれば「Card number」と書いてありますので、その下にOVチップカードの番号をいれると残高が表示されます。
残金が足りなくなってきたら追加でチャージします。
NSの駅にある券売機でチャージが可能です。ここでの注意点は、自動券売機では紙幣は使えないという点です。コインかクレジットカードになります
払い戻し
5年以内にまたオランダに来る予定のある人以外は、帰国時にNSのカウンターでチャージ残額払い戻しが出来ます。
- 場所:NSや市内交通の窓口
- 手数料:1ユーロ
- 残額:30ユーロ以下(30ユーロ以上の場合はヨーロッパの銀行への払い戻しとなる)
残額が30ユーロ以下というのが、注意点です。ヨーロッパに銀行を持っている人は良いですが持っている人は少ないので、結果として30ユーロ以下だと払い戻しが出来ない、ということになるのです。先に書いたように電車では20ユーロ以上の残額がないと乗車できません。そのため、払い戻し間際には・バスやトラムを主に利用する ・電車は切符して乗る など工夫しないと、払い戻しできないというのが面倒な所です。
子供向けのOVチップカード
黄色の記名式のOVチップカードには子供用のカードがありますが、無記名の青色のカードに子供用はありません。OVチップカードを持つより、切符を買った方が安くなります。
以上、OVチップカードについて説明しました。
払い戻しが面倒なので、旅行者には少し面倒なカードではあります。ですが、都度券売機に並び乗車券を買う手間を考えれば、購入手数料と払い戻し手数料8.5ユーロかけても安いと感じる人もいるでしょう。また、オランダ国内が自由に旅行できるのは、旅の楽しみを増やしてくれます。OVチップカード以外にも、旅行者向けに時間や日にち単位の乗車券も売ってますので、払い戻しやチャージが面倒な人は、こういった切符の方がおすすめです。