英語でオランダを表すときに使われる「The Netherlands」と「Holland」、2つの違いは何でしょうか。2020年よりオランダは「Holland」という呼称を不使用にし、「Netherlands」の名称に統一しました。気を付けたい使い方について掲載しています。
「The Netherlands」とは
オランダの正式国名「オランダ王国(ネーデルラント王国 )」です。英語では「Kingdom of the Netherlands」と表します。 「Kingdom of the Netherlands」 を省略する形で「The Netherlands」と呼ばれます。
「The Netherlands」 の由来
オランダは国土の表面積のおよそ半分が海抜1メートル未満という国。海抜1メートルのツバルが「沈む国」と言われていますが、オランダはなんと、面積の半分が海抜1メートル未満なのです。
オランダ語で「Nederland」(ネーデルランド)は「低地」という意味を表しています。 オランダは「海抜0メートルの国」など呼ばれたりしますが、低地の国という意味で「The Netherlands」という呼び方になっているそうです。
「The Netherland」ではなく 「The Netherlands 」
良くある間違いで、「The Netherland」とsを付けない間違いがありますが「s」を忘れずに!
「Holland」とは
では 「Holland」 という呼び方がどこから出来てたのかというと、オランダの州に由来します。オランダは12の州(日本でいう地方のようなものです)で構成されていますが、そのうちの2つの州、「Noord- Holland」と「 Zuid-Holland」を合わせて「Holland」と呼ばれています。 (オランダの州や主要都市名については、オランダの州参照。)
「Noord- Holland」には首都アムステルダム、「 Zuid-Holland」 には首都機能のあるデン・ハーグ、ロッテルダムが位置しています。この3つの街はオランダを代表する都市です。そのため、本来はこの 「Noord- Holland」と「 Zuid-Holland」 を指す言葉が 「Holland」 なのですが、オランダを指す意味としても「Holland」が使用されているという訳です。
「Holland」の簡単な歴史
オランダはフランス軍に征服された歴史があります。その頃からオランダの地域は「the Netherlands」は呼ばれています。ナポレオンの敗北後も「Kingdom of the Netherlands」のままの呼び方が残りました。先に記載した「Holland」の地域は、オランダの経済と富に大きな貢献をしました。そのため「Holland」が国全体を示すために一般的に使用される名前になったそうです。
「The Netherlands」と「Holland」の使い方
オランダの略称は「NL」が浸透していますし、役所などの書類、公式の場面では「The Netherlands」という呼び方を見かけます。オランダの公式観光局が「Holland」という名前でHolland.comというサイトであったくらい、オランダでもオランダ全体を指す意味で「Holland」の呼び方も浸透していました。
2020年より、オランダ政府は「Holland」の呼び方を不使用し、「Netherlands」で統一していくと発表しました。これまでチューリップとHollandで統一していたロゴも「NL(Netherlandsの略)」へ一新しています。
東京オリンピックもこの名前でオランダは英語でthe Netherlandsなのか? Hollandなのか?オランダは「t…
2019年までは、どちらもオランダを指す名詞として間違いではありませんでしたが、2020年以降はオランダでの使われ方を踏まえ、「The Neterlands」と呼ぶのが正解となりました。ちなみにこちらは、英語での呼び方で、日本語では引き続きオランダで問題ないようです。
日本語ではなぜオランダと呼ぶのかについては、以下にまとめて掲載しています。
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