レンブラントの自画像

レンブラント・ファン・レインは多くの自画像を残した画家として知られています。なぜ自画像を多く書いたの?その解説や所蔵美術館などレンブラントの自画像についてまとめて掲載しています。

レンブラントの自画像

レンブラントは若いころから、晩年まで多くの自画像を残した画家の1人です。 レンブラントの自画像は80枚以上描かれています。油絵が40枚程度、エッチング、ドローイングで描かれた自画像が40枚程度です。自画像とは自分で描いた自分の肖像画のことです。 レンブラントほど多くの自画像を作った17世紀の芸術家は居ません。名声を得る前から名声を得て破産した後、1682年~1669年にかけての自画像がまるで写真の用に沢山残されています。レンブラントの自画像は油絵の技法はもちろん、エッチングで描かれた自画像も多くあります。

レンブラントはなぜ自画像を多く描いた?

自画像を描く画家は多く居ますが、画家が自画像を描くのに多い理由はモデル代がかからないというお金の問題があります。自分の顔を描いた方が安上がりという理由です。もう一つの理由は自己対話や虚栄心です。自分の顔を描くという表現行為は自己愛でもあり、自分との対話という側面もあります。虚栄心から自分の顔を残しておこうという場合もあるでしょう。また手軽に描けるという面もあります。モデルを探すのには労力がかかりますが、自分の顔でしたら手軽に描くことができます。

レンブラントは生前から評価されたので、破産するまでは金銭的には恵まれていた画家のひとりです。依頼されて人物画を描く事が多かったので、金銭的に困窮してモデルを依頼できないというよりは、練習のために自分の顔を描いたのか、また、年代ごとに自画像があるので、自分を残しておくという側面もあったのか色々考えていました。

オランダ アムステルダム エルミタージュ美術館で自画像展示会があった際のパネル説明では以下のように書かれていました。

レンブラントは売る目的で自画像を多く描きました。

レンブラントの名声を世の中に広めるために、沢山の自画像を制作しどんどん販売していったという訳です。レンブラントは生前から高い評価を受けていたオランダの画家ですが、高い評価を広めていくために自画像を利用したというマーケティング的な側面もあったのかもしれません。

レンブラントの自画像の特徴

レンブラントの絵画は大きなサイズの絵が多くあります。代表作夜警にみられるように大きいサイズの絵が多くあります。レンブラントは生前から評価されていた画家ですので、 レンブラントの有名絵画には制作依頼されて描き残されている絵画が多くあります。制作依頼されて描いたことはサイズが大きい理由の一つといえるかもしれません。ただし、自画像の場合には依頼された絵画ではなく次週的に描いていることもるのでしょうか。他の絵画より小さいサイズが多いです。全ての自画像が同じサイズではありません。

1628年レンブラント自画像

レンブラントの自画像は、若いころから晩年まで多くの自画像が残されています。その中でも最初の1枚といわれている自画像が、1628年に描かれた自画像です。

自画像に描かれているレンブラントは22歳、若き日のレンブラントの姿です。1628年というとレンブラントがアムステルダムに移り住む前、出世作の「テュルプ博士の解剖学講義」が描かれたのが1632年ですのでそれ以前の自画像です。画家として名声を得る前、結婚する前の若いレンブラントの姿が自画像に残っています。

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使徒パウロとしての自画像

レンブラントの自画像にはゼウクシスの自画像、使徒パウロとしての自画像といった、人物に扮しての自画像もあります。1661年に描かれた 聖書の人物である使徒パウロを装っている自画像です。レンブラントが55歳の時に描かれました。

  • 日本語: 使徒パウロとしての自画像
  • オランダ語:Zelfportret als de apostel Paulus
  • 英語:Self-portrait as the Apostle Paul
  • 所蔵:アムステルダム国立美術館(オランダ)

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晩年の自画像

沢山描かれたレンブラントの中で、最後の自画像と言われているのがこの晩年の自画像です。 1669年に描かれたこの自画像はレンブラントの最後の自画像といわれています。レンブラントの集大成とも言える自画像は、破産した後の作品です。名声を得て、成功したものの人生の最後には破産し財産が競売にかけられてしまったレンブラントですが、その技法は晩年まで変わらず素晴らしいものです。

写真では伝わり切れませんが実物を見る際にはその細かい技法まで是非ご覧ください。

晩年のレンブラント自画像は、彼の名声を象徴するかのように、通常はマウリッツハウス美術館に飾られています。

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レンブラント作品が見れるオランダの美術館

レンブラントの故郷オランダでは、著名な2つの美術館で3枚の自画像を見る事ができます。夜警や、テュルプ博士の解剖学講義といったレンブラントの名作を見ることもできるおすすめの美術館です。

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