オランダ人はなぜ英語力が高いのでしょうか? 英語力の世界ランキングでオランダが1位という状況が続いており、世界一英語力が高い国ともいわれています。英語力が高い理由は何でしょうか。オランダ在住者による考察です。
オランダの英語力は世界一
EF Education Firstが実施している、英語ノンネイティブの国を対象にしたEF 英語能力指数 (EF EPI)ランキングで、オランダは1位、2位など英語能力指数のランキング上位の常連国です。英語ノンネイティブ国の中では、オランダ人の英語力は高いといえる結果になっています。
- 2022年 111か国中1位
- 2021年 112か国中1位
- 2020年 99か国中1位
- 2019年 100か国中1位
- 2018年 88か国中2位
- 2017年 80か国中1位
- 2016年 72か国中1位
- 2015年 69か国中2位
参照)https://www.efjapan.co.jp/epi/
なぜオランダの英語力が高いのか
では、なぜオランダの英語力が高いのでしょうか。オランダに住んでみて、感じたオランダの英語力が高い理由をまとめています。
【1】英語とオランダ語は似ている言語?
まず、英語とオランダ語が似ているという理由があります。英語とオランダ語がいくら似ているとはっても単語は一部違いますし、発音も違う単語もあります。似ているがゆえに、使い分けが難しいのではと思う所もあります。ですが、同じアルファベットを使用する言語ということもあり、日本語話者が英語を学ぶ労力に比べると、オランダ語話者が英語を学ぶ労力の方が少ないのは間違いないでしょう。
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【2】英語も話せて当たり前?小国オランダの感覚
また、オランダでは英語に対する意識も違うように感じます。オランダは日本の九州程の大きさしかない小さい国です。 とはいえ、世界での、ヨーロッパでの存在感は国の大きさよりも大きいでしょう。
かつて、オランダ黄金時代と呼ばれ、世界に名をはせたオランダ。その商人気質が今でも残っているのかもしれません。
公用語のオランダ語はマイナー言語ということになりますが、小国だからゆえ、マイナー言語の国だからゆえ、英語も話せた方が「便利」という感覚を持ち合わせているように感じます。オランダにある会社には、社内では英語が共通語とい会社も珍しくありません。そう言った理由もあり、ヨーロッパでも英語力が高い国として、実際、ヨーロッパのヘッドクオーターをオランダに置いている企業も多くなっています。
【3】オランダ語から英語に切り替える柔軟さ
移民が多い国オランダでは、オランダ語を話せない人も珍しくありません。そんな時は最初はオランダ語で話しかけても通じなければ、英語に切り替えるそんな姿勢がオランダにはあるように感じます。先の小国の話と似ていますが、オランダの公用語オランダ語はマイナー言語でもあります。
オランダ語の公用語はオランダ語ですので、国内での主な会話はオランダ語です。ですが、オランダ語が通じないなと思うと、英語に切り替えるという柔軟さがあるように感じます。 外国人と話す際は英語でも問題ない、そんな姿勢もオランダの英語力をあげる要因のひとつになっていそうです。
どこの国とは言いませんが、英語で問い合わせフォームからメールを送ったら、その国の公用語で返事が返ってくるという頑な国もあります。それはそれで母国語に誇りを持っていて良い面もあるのですが、オランダでは「オランダ語が分からないの?」「じゃあ英語はできる?」と言った感じで、オランダ語が出来ないなら、英語でコミュニケーションを取ればよいというような、柔軟な雰囲気を感じます。
【4】隣の国でオランダ語が通じない
オランダはヨーロッパの国で、ドイツやベルギーと隣接しています。隣接する地域に住む人は、数分、数十分行けば別言語の国という環境も珍しくありません。オランダからフランスには電車で3時間程度です。日本でいう国内移動の距離で、国を跨ぐ移動が出来ます。
ですが、言語の面ではベルギーの一部ではオランダ語が話されますが、ヨーロッパのそれ以外の国では、オランダ語は通じる事はほぼないでしょう。休暇はヨーロッパ旅行をすることが珍しくないオランダ人にとって、休暇先では英語が必須になるわけです。オランダ人は休暇に旅行に行くことが大好きです。英語が必要になる旅行が身近なオランダの立地も英語力が高くなる理由の一つになりそうです。
【5】小学校から英語教育が少し違う?
オランダでは学校によって、英語の教育が始まる年齢が異なりますが、 オランダでも同じ小学校から英語教育が始まります。 日本でも小学校から英語教育が始まるので同じくらいの時期でしょう。ただ、日本と大きく異なると感じたのは「文法」を学ぶ日本の英語教育と違い、オランダでは英語に慣れ親しむための教育に見えた点です。英語の勉強が苦痛、苦手になる、そんな雰囲気は少なく、身近な単語を学んだり、英語に興味を持ちやすそうな環境に見えました。使うための英語と言った雰囲気です。
移民が多いオランダでは、小学校でも英語が第一言語の子供がクラスに居ることもあります。また、母国語がオランダ語でない子供や多言語が得意な子も多くいるため、オランダ語以外、母国語以外にも話せる子がいて「当然」という環境です。そして英語は世界の共通語であることを小さい頃から当然のものだと知って育つのも、オランダの英語力が高い理由の一つかもしれません。
日本のように英語は「大人になったら役に立つ」ではなく、子供のころから役に立つ言語として理解した上で、英語を学ぶ機会があり英語が身近にある存在のように感じました。
オランダにも英語を話せない人も
もちろんオランダの英語力が高いからといって、全員が英語を問題なく話せるわけではなく、英語を話せない方も居ます。特に年配と英語を学ぶ前の小さい子供は英語を話せない場面にも良く出くわします。ですが、他の国に比べて確かにオランダでは英語は通じやすく、英語力が高いのは本当だと感じます。
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ただし、オランゴに英語留学というのは個人的にはあまりお勧めしないように感じます。確かにオランダの大学は英語ですし、英語留学という考えもあるかとおもいます。ただ、オランダで学びたいことがあるなどという場合は別ですが、英語のみが目的であれば、いくら英語力が高いとはいえオランダは「ノンネイティブ」の国です。ネイティブの英語力とは比べられませんので、英語留学なら英語圏の方が個人的にはおすすめです。
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