オランダの奴隷制 – アムステルダム国立美術館企画展

アムステルダム国立美術館の企画展、オランダの奴隷制度についての展示「Slavery」について、展示や実際に行った時の様子などまとめて掲載しています。

オランダの奴隷制展「Slavery」

2021年8月29日まで

アムステルダム国立美術館(ライクスミュージアムRijksmuseum) が自国の過去、奴隷制について展示をしていると聞いて美術館に足を運んできました。今回の奴隷制展名はオランダ語でSLAVERNIJ、英語でSlaveryです。

オランダでもコロナのロックダウンで美術館が閉鎖するなどあった中ようやく行く行くことが出来た展示です。美術館が奴隷制を展示するというので、どのようなものかと思っていたら、さすがアムステルダム国立美術館。「奴隷」を当時の絵画や芸術品を通して展示するという素晴らしい展示でした。以下、実際に行った時の様子を、少しだけ共有します。

企画展は左側の部屋

アムステルダム国立美術館で企画展に行く場合は、左手のTentoonstellingen Exhibitionsという矢印の方向に向かいます。

企画展用のチケット確認があり、通路を通り企画展示へ向かいます。アムステルダム国立美術館では企画展を見たい場合は、通常チケットの他に、企画展用のチケット購入が必要です。人気な展示が多くこの時も1ヶ月先までチケット予約が一杯でした。

無料のオーディオツアー

無料のオーディオガイドを利用できます。アムステルダム国立美術館には日本語アプリもあり、通常展示は日本語で豊富な音声ガイドを楽しめます。通常展示を音声ガイドを利用して楽しんだ時の記録はこちら。

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ですが、企画展は日本語のガイドは無く、英語かオランダ語のみということでした。

展示の様子

オランダ植民地時代の奴隷制に初めて焦点があたったこの展示。自国の過去をどのように展示するのかと思っていたのですが、 何らかの形で奴隷制に関与した人々からの10の実話をもとにした展示ということでした。奴隷にされた人、奴隷にした人、抵抗した人……。「人」に焦点をあてたことで、より心情的に作品の展示を見れることとなりました。

当時使ったものでしょう。 生々しい展示もあります。

レンブラントの絵画を描いて貰ったのは……

オランダの巨匠レンブラント、アムステルダム国立美術館に所蔵されている「夜警」ほか、様々な作品を残したオランダ黄金時代を代表する画家です。いつもだったらレンブラントの書いた貴族の絵、という視点で見ていたのですがレンブラントに肖像画を描いて貰えるくらいの富を得ている理由が奴隷売買だとしたら……なるほど考えさせられる展示でした。

よく見ると奴隷が……

そしていつも意識せず眺めている絵画もよく見ると、奴隷の様子が描かれているのですね。

この首にしているという首輪の展示もありました。犬、ではないですが奴隷の首輪があったのですね。絵にも描かれていました。

違う絵画では給仕しているのは10歳くらいの少年!?というガイドも。なるほど普段はあまり見ていない視点でした。

絵画を通して当時の奴隷制の様子を垣間見ることができます。

10つのストーリー

今回の奴隷制の展示は、10つのストーリーから「奴隷制」を展示しているとの事で、各部屋色分けがしてあるのも印象的でした。

オーディオガイドを聞きながら1時間ほどで展示をまわりました。最後の部屋が黄色の部屋なのですが、メッセージがとても印象的です。ここに掲載した写真の他にも様々な展示がありました。

アムステルダム市長が奴隷制に謝罪

アムステルダム国立美術館で奴隷制の展示が行われている丁度その中、アムステルダムのハルセマ市長が奴隷制を謝罪したという事があり、日本でもニュースで報じられていました。

オランダ黄金時代の華やかな絵画や、当時の豪邸、その栄華にはもちろん植民地や奴隷貿易で富を得た人たちも。 過去の奴隷制度を「事実」「実話」と展示する事は謝罪同様、とても意義のある展示だと感じます。

オンラインでの展示

美術館で実物の奴隷制の展示を眺めるのが難しい場合も、音声ガイドのみアムステルダム国立美術館の公式ホームページで聞く事ができます。英語かオランダ語のみですが、もし興味があればぜひお聞きください。

Rijksmuseum.nl

All Stories from the Slavery exhibition…

アムステルダム国立美術館

奴隷制の展示が行われているのはオランダ「アムステルダム国立美術館」です。
開催期間: 2021年8月29日まで

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