小学生オンライン授業のツールと進め方

オランダの小学校はコロナウィルス感染予防の休校中にオンライン授業に切り替わりました。小学生向けのオンライン授業で使われているツールを紹介しています。海外の(オランダの)小学生向けオンライン授業ツールやシステムの導入について、掲載しています。

使用しているオンライン授業ツール

Microsoft Teams(マイクロソフト チーム)

Microsoft TeamsはMicrosoftが提供する無料のオンラインツールです。OutlookなどマイクロソフトのOffice 365と相互性がある点が便利で、ビジネスシーンでは通話しながら Teams 上で Excel 資料や PowerPoint 資料を共同編集などが便利です。

オンライン授業という面では、学校でも多く導入されているOffice 365を使用している場合に無料でMicrosoft Teamsを使う事が出来るので、無料利用できる学校も多そうです。

Teamsではチーム機能によって、コミュニケーション専用のグループを作成できます。学校でも班ごとのグループを作ったりするなどの利用が可能になります。

公式サイト(日本語)

https://www.microsoft.com/ja-jp/education/products/teams

Google classroom(グーグルクラスルーム)

Google Classroomは、グーグル社が提供している教育現場向けのサービスです。教員と生徒の間のやり取りが簡単にできるのが特徴です。

参加にはGoogleアカウントが必要です。私の体験では、オランダのある学校では、学校からID用のメールアドレスとパスワードが送付されてきてそれを使用してログインする形になっています。学校によっては自分のGoogleアカウントを使用させている場合もあるのかもしれません。

公式サイト

https://edu.google.com/products/classroom/

Zoom(ズーム)

日本でも知名度が上がっているZoomはID登録が不要で利用することが出来ます。URLをクリックするだけで気軽に参加できるので、IDだパスワードだなどの作業が少なく参加しやすい点があります。

生徒へ一斉にZoomでつなぎ、課題ごとにグループ分けしてグループワークを行うなど、柔軟な進め方が出来ているなどの使い方もあるようです。

公式サイト

https://zoom.us/

MeetNow (ミートナウ)

Skypeの提供ツールです。SkypeというとIDを交換してというイメージがありそうですが、MeetNowはID登録不要で参加することが出来ます。Zoomの使い勝手に近い印象です。

公式サイト

https://www.skype.com/ja/free-conference-call/

各校導入しているオンライン授業ツールは様々

オランダでは国全体で統一されたオンライン授業システムを利用しているわけではなく、各校導入しているオンライン授業システムは違います。個人的に対話用にオンラインツールを導入している学校はZoomやMeetNow、学校でアカウントを用意している学校はMicrosoft Teams、Google classroomのような印象です。ほかの海外、外国の状況はわかりませんが、オランダで私が知っている範囲ではこのような状況です。

小学校でのオンライン授業の進め方

全ての小学校の様子は見れていませんが、私の知っている限りでのオランダの小学校でのオンライン授業の進め方を記載しておきます。オンライン授業導入を検討している方に参考になる部分があるかもしれません。

オンライン授業の頻度や時間割、参加人数は様々

オンライン授業へ切り替えがというと、朝から昼過ぎまで、通学の時間をずっとオンライン授業しているように感じる方も居るかもしれませんが、実際は違います。先生と家庭をつなぐ、オンライン授業を実施している頻度や1回の長さは学校により様々です。

  • 毎朝9:30~1時間程度(全員参加)
  • 週2回1時間(クラス内で5名参加)

など、年齢や各学校の方針により異なります。授業というより一日にやることのガイダンスのみだったり、ただ集まって話しているそんな学校もあります。そのため、オンラインに切り替わったから通学時程度の学習量を担保しているかというと、以前より少ないと思います。

ただ、オンライン授業の時間を子供は楽しみにしています。大人ですら精神が参ってしまうこのご時世で、子供たちは家族が以外の他人と話す機会がありません。通学時のような授業ができなくても「ただ話す」という機会だとしても、オンライン授業がある学校の役割をありがたいと思っています。

オンラインでつなぐ時間は必要な時間のみ

オランダの全ての学校かは分かりませんが、私の知っている限りではオンラインでつなぐ時間を

  • 先生の話を聞く時間のみ
  • 質問など対話が必要な時間のみ

にするなどの工夫しているように見られます。 先生の授業の説明は動画を作成して送付してくる先生もいます。そうなってくるとオンライン塾などとも変わりがなくなる部分もあります。実際などのオンライン塾や家庭教師を試したことがあるのですが、「動画で先生が説明してくれる」という状況は確かに同じなのですが、やはりいつもの先生が授業してくれているのを聞くのは様子は違い、しっかり聞いているように感じているなと思いました。

先生が映ってる動画の他に、Youtube、テレビのサイトなどの既存の動画を指定し、これを見るようになど指定してくる学校もあるようです。既存の動画にも使いやすいものが沢山ありますので、その利用も良いなと思います。

生徒はミュート

学校に寄りますが、大人数のクラスでは生徒はミュート設定にして、先生のみ発言し、生徒は発言時にミュートを外して発言するというような進め方をしていました。低学年では難しいかもしれませんが、高学年の生徒はあっという間にツールを使いこなし、先生に使い方を教えてあげているなんていう場面も目にしました。

オンライン授業以外は各自スケジュール通りのワーク

オンライン授業は1日するわけではないので、それ以外の時間は先生から頂いたスケジュールを実施します。週ごとに先生からメールで送られてきます。
こちらも学校ごとにより違います。毎日のやること一覧ある学校から、課題とそれに対する所要時間がある学校、何時から何時までといったきっちりした学校があるなど様々です。

PCがない・兄妹のいる等家庭へ配慮

兄弟姉妹など同じ時間にオンライン授業が入ってしまう事も考えられます。オンライン授業を実施する時、兄弟がおりパソコンが2台ある家では良いですが、そうでない場合はパソコンが足りなくなります。そもそも持っていないという場合もあります。パソコンの貸し出しをしてくれる学校もありました。

オランダでは、オンライン授業に切り変える際、政府から250万ユーロの補助金が出ることが決まり、オンライン授業を受けられない環境の子供のための予算となりました。そのため貸与の対策がしやすかった面があると思います。

Minister Slob (onderwijs) neemt samen met scholen en gemeent…

同じ学校でも、低学年と高学年で授業時間を分け、なるべく兄弟姉妹と時間が被らないようにするなどの配慮も見られました。双子などはどうしようもないのですが、学年でクラスごとに時間を分けるなど、学校内での出来る限りの工夫をし、それでも無理な場合、パソコンを貸し出しなどの方法もありそうです。海外では、郵送で貸し出したパソコンが届かないなどと言った問題(届かないと嘘をついているかもしれないという問題です)も出てきていると耳にしたので、PCの貸し出しは悩ましい部分ではあります。

スマホでオンライン授業

PCの貸与が難しい場合、画面で細かい資料を共有されて開くなら別ですが、オンラインの授業のみであれば、スマートフォンのみでも受講は可能です。

  • スタサプ
  • などのサービスは実際に、スマホでも受講できる点を売りにしています。パソコンやタブレットのでの授業進行に比べると勝手は悪くなりますが、学習教材を手元に届け、授業はスマホで受けれるようにするなどすると、オンライン授業導入の幅が大分広がりますね。

    失敗しながらも前に進む

    オランダのコロナ休校中のオンライン授業への移行についての記事でも書いていますが、最初はカオス状態からスタートした学校もありました。失敗しながら先生も子供も徐々に慣れながら進んできた状況です。 wifi環境の整備、オンライン授業に参加してこない子がいるなど、オンライン授業を進めるうえでの問題点も出てきています。

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    授業に参加してこない生徒も居る

    パソコンの貸与などの対策がされている点を書きましたが、そんな対策がされているオランダでも、授業に参加してこない生徒がいます。上で紹介したオランダのオンライ授業という記事内でも書いていますが、オランダのニュースサイトで学校は閉鎖されているため、7000人の児童やその親と連絡が取れないという状況が報じられています。

    wifiがなく授業に参加できない、オンライン授業の設定が分からない、などハード面での参加の課題もあると思いますが、虐待などの可能性もありソフト面で参加できない生徒も居る可能性があり、どんなに環境を整えても授業に参加してこない生徒もいるのが実情です。

    子供が笑顔になれる時間

    コロナの影響で外出が難しい中、お友達と遊ぶのもままならない状況です。 学校は子供にとっての日常です。 たとえオンラインで授業が上手く進まなくても、新型コロナウィルス感染が不安な中、いつも会っていた先生の顔が見れ、お友達の顔が見える、それだけで心が安らぐ子供もいるのもまた事実です。小学生向けのオンライン授業導入検討を進めている方の参考になれば幸いです。



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