オランダ2回目のロックダウン(部分的ロックダウン)

オランダは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第二派ともいわれる増加により、2020年10月14日より2回目のロックダウンを行うこととなりました。今回は、パーシャルロックダウン(部分的ロックダウン)といわれています。オランダの2度目のロックダウンについてまとめて掲載しています。

10月14日からパーシャルロックダウン

10月13日の夜(午後7時)にオランダ ルッテ首相の会見があり、14日午後10時から再度ロックダウンが行われることが発表されました。 ルッテ首相は会見でこのロックダウンについて、「gedeeltelijke lockdown」という言葉使いました。英語にすると 「 partial lockdown (パーシャルロックダウン)」つまり、部分的ロックダウンです。

全面的にロックダウンするのではなく、一部のロックダウンという事のようです。オランダの2回目のロックダウンでは、 飲食店の閉鎖、イベントの禁止や、アルコール飲料の販売についてなどがルール化されています。

以下、在オランダ日本国大使館 による、部分的ロックダウンの日本語訳の内容です。

(1)集団形成
〇自宅において、1日あたり最大3名の来訪。
〇人々が着席する屋内施設において、最大数は30名。
〇屋内(自宅を除く。)及び屋外における集団形成は、異なる世帯から最大4名まで。
〇家族には、集団形成の最大数はない。


(2)日常生活
〇他に選択肢がない限り、自宅勤務。
〇13歳から、公共の屋内施設及び公共交通機関においてマスクを
着用(注:記者会見では、当面は、緊急勧告とされるが、屋内施設
でのマスク着用に係る法的根拠が準備され次第、義務化が導入される旨述べられました。)。
〇中・高等学校(VO)、中等職業教育(MBO)及び高等教育(
高等職業教育(HBO)及び大学)では、全員が、教室外でマスクを着用。
〇全ての飲食施設を閉鎖。店舗での受け取りは、引き続き可能。例
外には、ホテル(宿泊客向け)、葬儀施設、セキュリティチェック後の空港が該当する。
〇複合施設では、飲食機能を有する場所を閉鎖する。
〇小売店は、遅くとも午後8時に閉鎖する。ショッピングイブニングは、行われない。
〇スーパーマーケットは、その後も、営業することができる。
〇アルコール類やソフトドラッグは、午後8時から午前7時まで、
販売、又は、配達されない。
〇午後8時から午前7時まで、公共のスペースで、飲酒やソフトドラッグの使用は禁止する。
〇イベントは禁止される。例外には、市場、展示会・会議、映画館・劇場、試合、パブリックイベント法に規定されるデモ、集会、会合。
〇小売業界においては、同業界で定められた規則の一層の遵守に係る合意がなされる。過度に混雑する場合、又は、基本的なルールが遵守されない場合、当該場所(の一部)が閉鎖され得る。取締りが強化される。
〇いわゆる、人の出入りのある場所(モニュメント、図書館、博物館等)では、小売店及びスーパーマーケットを除き、来館は、時間ごとの予約により行われなければならない。


(3)スポーツは、限定した範囲でのみ可能となる。
〇18歳以上の者は、個人又は4名以下のチームで、1.5メートルの距離を保つ場合にのみ、スポーツをすることができる。試合は禁止される。
〇例外には、Papendal等の指定された場所において(トレーニングする)、トップアスリートとしてのステータスを持つ者。
〇1部及び2部リーグの(「チーム」のスタッフを含む。)サッカー選手。
〇18歳までの子供(チームスポーツや自身のクラブ内での対抗戦は可能。)。
〇スポーツ施設に付帯する飲食施設に加え、シャワー、更衣室は閉鎖。


(4)旅行
〇可能な限り旅行を減らす。
〇可能な限り旅行先で滞在する。
〇移動の回数を減らし、混雑を避ける。
〇海外旅行には以下を適用する:オランダ外務省の渡航勧告を注視。

在オランダ日本国大使館Eメール より引用

11月5日より美術館なども閉鎖

11月3日の発表で、さらにロックダウン内容の強化が発表されました。レストランやカフェの閉鎖に加えて、美術館・博物館なども閉鎖となります。

11月3日(火)に公表された措置の概要

(11月4日(水)午後10時から、11月18日(水)まで)

19日からの措置についてはまた発表があるようです。

(1)集団形成
○自宅において、1日あたりの来客は2名を上限とする。
○屋内(自宅を除く。)及び屋外での集団形成は、異なる世帯から2名を上限とする。
○家族には、集団形成の上限数はない。
○11月9日(月)以降、葬式は30名を上限とする。
○結婚式は20名を上限とする。
(2)日常生活
○祝日も可能な限り自宅で過ごす。
○不必要な移動は避ける(注:記者会見では、現時点で、公共交通機関に対する更なる制限は予定しないとされました。)。
○やむを得ない場合を除き、自宅勤務を行う。
○13歳以上は、公共の屋内施設や公共交通機関では、マスクを着用する。(注:記者会見では、準備が整い次第、法的に義務化するとしたが、おそらく12月1日(火)の数日前になるとの見通しを示しました。)
○中・高等学校(VO)、中等職業教育(MBO)及び高等教育(高等職業教育(HBO)及び大学)では、全員が、教室外でマスクを着用する。
○一般にアクセス可能な場所は、全て閉鎖。例えば、博物館、劇場、性風俗店、映画館、遊園地、動物園、プール、図書館などが該当する。
○飲食店は全て閉鎖。テイクアウトは可能。例外として、ホテル(宿泊客向け)、葬儀場、空港(セキュリティチェック通過後)。複合施設では、飲食施設部分を閉鎖。
○小売店は、午後8時までに閉店。ショッピングイブニングは行わない。
・食料品店は、午後8時以降も営業可能。
・市場は、引き続き営業可能。
○午後8時から午前7時までは、酒類の販売や配達を禁止。
○午後8時から午前7時までは、公共のスペースでの酒類の所持及び飲酒を禁止。
○(屋内外の)イベントは、パブリックイベント法に規定されるデモ、集会、会合を除き、禁止。
○小売業界においては、同業界で定められた規則の一層の遵守に係る合意がなされる。過度に混雑する場合、又は、基本的なルールが遵守されない場合、当該場所(の一部)が閉鎖され得る。取締りが強化される。
(3)スポーツ
○18歳以上の者は、1.5メートルの距離を維持し、1人、又は、2人以下のグループでのスポーツだけが可能となる。試合は禁止。
○例外として、
・Papendal等の指定された場所において(トレーニングする)トップアスリートとしてのステータスを持つ者。
・1部及び2部リーグの(「チーム」のスタッフを含む。)サッカー選手。
○18歳までの子供(チームスポーツや自身のクラブ内での対抗戦は可能。)。
○スポーツ施設に付帯する飲食施設に加え、シャワー、更衣室は閉鎖。
○グループレッスンは禁止。
○無観客で行うこと。
(4)旅行
○オランダ国内での旅行
・可能な限り自宅で過ごす。
・不必要な旅行を避ける。
・旅行に行く場合は、可能な限り当該旅行先で滞在する。
・移動の回数を減らし、混雑を避ける。
○海外旅行
・真に必要な場合を除き、1月中旬までは海外旅行や予約をしない(注:記者会見では、これは強い要請であるとされました)。
・休暇旅行や家族訪問は必要な旅行ではない。
・旅行前には、必ず渡航勧告ページ( Nederlandwereldwijd.nl )に掲載されている国別の最新の旅行情報を確認する。
・渡航勧告がオレンジとなっている地域から帰国する場合、10日間の自宅隔離を行う。
・オランダ領カリブ海領域への旅行は可能。これに関する最新の渡航勧告を確認する。

在オランダ日本国大使館Eメール より引用

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